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小田原の社交界を飾った「高級居酒屋の戦略」

更新日:2月8日

戦国時代の演出
戦国時代の演出

2012年のとある日、知り合いの紹介でマグロ居酒屋をやりたいという起業家の相談を受けた

オーナーはクルーザーを持ち、マグロを釣るのが趣味

そのマグロをメインにした居酒屋を経営したい どうせ経営するなら、戦略で人気のウチに依頼したいとの事


うれちい


計画は真っ白

場所も決まっていない

50席は欲しいという事で、それなりの物件を一緒に探す


その間に、推奨する評判の良い食事処を回ってもらう



数か月後、場所が決まる

スケルトンの物件からスタート
スケルトンの物件

小田原駅から近い場所で大人気居酒屋が2軒も集まる場所

「競合店が強くないか?」

経営者は心配した

「大丈夫、良い店がある場所には人が集まる、そこに新たに良い店を加えればもっと集まる」

問題は2階にあるという事

他の人気店は路面店、エレベーターがあるとはいえ、2階に上がるにはハードルがある

そのハードルを越える強烈な魅力が必要になる


これから始まる居酒屋の戦略 僕はコンセプトを作っていた

クルーザーの船長であるオーナー

船・海から村上水軍をイメージした

そういえば小田原の北條氏にも水軍があった


名前は「北條水軍」と決めた

時代背景は1550年頃、安宅船と言われた戦国船の内部に作られた隠れ居酒屋的なイメージ


入口にはいると右側に会計場所がある

この会計場所を、当時の番屋(藁ぶき屋根の掘っ立て小屋)的に作る


店の中に戦国のぼり旗を飾る 鎧も、槍・刀・火縄銃も飾る

北條5代の肖像画も飾る


殆どをテーブル席にするが、一部はオーナーの希望から畳の上りを作る


店は奥に行くにつれ段差がある

その段差は、船から降ろされた橋げたのイメージにして鎖を付けた


海賊のアジト
海賊のアジトをイメージ

その奥に幕を張った本陣として、カウンター席を作る

本陣をイメージしたカウンター
本陣カウンター

トイレは奇抜なものを提案した

オーナーが面白がって鬼瓦を手洗い場に備え付けた


お忍び用の個室も作った


そしてマグロのモニュメントを付けたド派手な外観にした


2階へいざなうド派手な外観
2階へいざなうド派手な外観

オーナーのド派手なオープンイベントと共に、丸ごと小田原のプライドの様な店は大人気になった


しかし、上階の居酒屋から度々水漏れし、オープンから7年後、何度目かの水漏れのタイミングで撤退した


「充分儲けたからね」


カッコいい

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